第2番札所 極楽寺の境内
第2番札所 極楽寺の境内

第1番札所・霊山寺から西へ約1.2キロ。田園風景の中を歩いた先に現れるのが、第2番札所・極楽寺(ごくらくじ)です。

朱塗りの仁王門をくぐると、そこはまさに「極楽」の名にふさわしい、静寂と美しさが調和した空間。特に「安産」と「長寿」のご利益で知られ、地元の方々からも厚い信仰を集めています。
お遍路の旅路、その最初の足がかりとして、心穏やかに参拝できる極楽寺の歴史と魅力をご案内します。

山号・院号 日照山 無量寿院(にっしょうざん むりょうじゅいん)
宗派 高野山真言宗
御本尊 阿弥陀如来(あみだにょらい)
開基 行基菩薩
御真言 オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン
御詠歌 極楽(ごくらく)の 弥陀(みだ)の浄土(じょうど)へ 行(ゆ)きたくば 南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ) 口(くち)ぐせにせよ (意味:極楽浄土へ行きたいと願うならば、常に南無阿弥陀仏と唱えることを習慣にしなさい)

2番札所・極楽寺の歴史と縁起

極楽寺の開創は奈良時代、行基菩薩によるものと伝えられています。その後、弘法大師(空海)がこの地を訪れ、21日間にわたる修法を行いました。

この時、大師が感得して刻んだとされるのが、御本尊の阿弥陀如来像です。伝説によると、この阿弥陀様が発する光があまりにも眩しく、遠く淡路島(現在の兵庫県)まで達し、魚たちが恐れて不漁になってしまいました。困った漁師たちが本堂の前に土を盛って光を遮ったところ、再び大漁になったことから、この地を「日照山(にっしょうざん)」と号するようになったと言われています。

また、明治時代までは四国八十八ヶ所の「関所寺」としての役割も担っており、罪深い人はここから先に進めなかったという言い伝えも残っています。

境内の見どころ:安産と長寿を願う3つのポイント

朱塗りの仁王門を抜けると、手入れの行き届いた美しい日本庭園が広がります。参拝の際に必ず訪れていただきたい、極楽寺ならではのスポットをご紹介します。

1. 弘法大師お手植えの「長命杉」

境内に入ってまず目を奪われるのが、樹齢1200年を超えると言われる巨大な杉の木です。高さ約31メートル、幹周り約6メートルのこの巨木は「長命杉(ちょうめいすぎ)」と呼ばれ、弘法大師が自ら植えたと伝えられています。
この杉に触れて祈れば、家内安全や病気平癒、そして長寿のご利益が授かるとされ、多くの参拝者がその幹に触れてパワーをいただいています。

2. 安産大師と子授け地蔵

極楽寺は「安産の寺」としても有名です。かつて弘法大師が難産に苦しむ女性のために祈祷を行い、無事に男児を出産させたという伝説から、境内の大師堂は「安産大師」として親しまれています。
また、本堂へと続く階段の左手には「子授け招福大師」や「水子地蔵」も祀られており、子供の健康や成長を願う優しい祈りに包まれています。

3. 極楽浄土を思わせる「庭園」

本堂の前には、「雲海の浄土」と呼ばれる美しい枯山水の庭園が広がっています。丁寧に整えられた白砂と、四季折々の草花が調和したその景色は、まさに極楽浄土そのもの。
厳しい修行の道中において、巡礼者たちの心をふっと軽くしてくれる癒やしの空間です。一息ついて、庭園の美しさを味わってみてください。

御朱印・納経について

参拝を済ませたら、納経所で御朱印をいただきましょう。
極楽寺の御朱印には、中央に梵字(阿弥陀如来を表す「キリーク」)と「本尊 阿弥陀如来」の文字が記されます。力強い筆致は、これからの長い旅路を後押ししてくれるかのようです。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 徳島県鳴門市大麻町檜字段の上12
  • 第1番からの距離: 第1番札所・霊山寺から徒歩約20分(約1.2km)。平坦な道のりですので、ウォーミングアップにも最適です。
  • 駐車場: あり(無料)。山門前に広い駐車スペースが整備されており、車遍路の方もスムーズに参拝できます。
  • 次の札所へ: 第3番札所「金泉寺」までは約2.6km。徒歩で約40分、車で約10分の距離です。

まとめ:静寂と癒やしの空間へ

第1番札所で決意を新たにした後、最初に訪れる第2番札所・極楽寺。その名の通り、穏やかで優しい空気に満ちたお寺です。 長命杉の力強い生命力に触れ、美しい庭園で心を整える。そんなひとときが、これから続く88ヶ所巡りの旅をより豊かなものにしてくれるはずです。