不動1番から吉野川を渡り、阿波市阿波町(あわちょう)へ。のどかな田園風景の中に、不動2番・明王院(みょうおういん)があります。
ここは通称「鼠不動(ねずみふどう)」と呼ばれ、ネズミを追い払い人々を救ったというユニークな伝説を持つお寺です。
春には境内に十種類もの桜が咲き誇る「花の寺」としても知られ、守り本尊「制吒迦童子(せいたかどうじ)」と共に、訪れる人々を温かく迎えてくれます。
| 山号・院号 | 磨日山 慈眼寺(まにちざん じげんじ) |
|---|---|
| 寺名 | 明王院(みょうおういん) |
| 宗派 | 高野山真言宗 |
| 御本尊(不動) | 不動明王(ふどうみょうおう) ※本堂には阿弥陀如来も祀られています |
| 守り本尊(童子) | 制吒迦童子(せいたかどうじ) |
| 御真言(童子) | オン シュト トバ ウンハッタ |
不動2番・明王院の歴史と縁起
天長年間(830年頃)、弘法大師が四国を巡錫した折、吉野川の渡し場であった「谷島渡し」の舟着場付近に一宇を建立したのが始まりとされています。
室町時代には藩主・細川公の祈願所となりましたが、天文13年(1543年)の吉野川の大洪水により、本尊の木像を除いて堂宇はすべて流失してしまいました。その後、元和4年(1622年)に現在の地で再興されました。
このお寺の不動明王は「鼠不動(ねずみふどう)」と呼ばれています。かつて米を食い荒らすネズミを追い払い、洪水や飢饉に苦しむ村人たちを救ったという伝説から、厄除け祈願や、学業成就にも霊験あらたかであると信仰されています。
境内の見どころ:童子と桜
歴史ある境内は、四季折々の自然と静寂に包まれています。
1. 守り本尊「制吒迦童子(せいたかどうじ)」
明王院が担当する三十六童子は、不動明王の右脇に立つ「制吒迦童子」です。
悪をくじき、正しい道へと導く力強い童子であり、その御真言「オン シュト トバ ウンハッタ」を唱えることで、困難に立ち向かう勇気を授けてくれます。
2. 春を彩る「十種類の桜」
明王院は桜の名所としても知られています。
春になると、境内にはソメイヨシノをはじめとする十種類もの桜が咲き誇り、参拝者の目を楽しませてくれます。色とりどりの花びらが舞う中でのお参りは、心身ともにリフレッシュできる特別な時間です。
3. 学業成就のご利益
ネズミは「大黒天」の使いとされることから、あるいはネズミの勤勉さからか、このお寺は古くから「学業成就」のご利益があるとも言われています。受験生や資格試験を目指す方にもおすすめのスポットです。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきましょう。
こちらで授与される御影(おみえ)には、制吒迦童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 徳島県阿波市阿波町谷島22
- 電話番号: 0883-35-3010
- 交通機関: JR徳島線「阿波山川駅」から約5.5km。
- 駐車場: あり(無料)。駐車場から境内までは徒歩約1分です。
- 次の不動札所へ: 第3番「最明寺(さいみょうじ)」までは約11.5km。吉野川の北岸を西(美馬市方面)へ進みます。
まとめ:ネズミも恐れる不動の力と、桜の癒やし
不動2番・明王院は、吉野川の歴史と共に歩んできた、地域に愛されるお寺です。 「鼠不動」のユニークな伝説に触れ、春には満開の桜の下で、制吒迦童子の力強いご加護を感じてください。