第4番札所 大日寺の境内
第4番札所 大日寺の境内

第3番札所から約5キロ。のどかな山道を抜けた先に、三方を深い森に囲まれた静寂の聖地があります。第4番札所・大日寺(だいにちじ)です。

四国八十八ヶ所の中でも数少ない「大日如来」を御本尊とするこのお寺は、かつては「黒巌山(くろいわざん)」と呼ばれた険しい場所にありました。現在は参拝しやすくなりましたが、境内に漂う厳かな空気は、ここが修行の場であったことを静かに物語っています。
美しい観音像が並ぶ回廊や、心洗われる静けさが魅力の大日寺をご案内します。

山号・院号 黒巌山 遍照院(こくがんざん へんじょういん)
宗派 東寺真言宗
御本尊 大日如来(だいにちにょらい)
開基 弘法大師(空海)
御真言 オン・アビラウンケン・バザラ・ダト・バン
御詠歌 ながむれば 浮世(うきよ)の雲(くも)に 迷(まよ)わなく 真(しん)の心(こころ) 澄(す)ますことなり (意味:この寺から景色を眺めれば、俗世の迷い雲も晴れ、真実の心が澄み渡ってくるようだ)

4番札所・大日寺の歴史と縁起

大日寺は、弘法大師(空海)がこの地で修行を行った際、大日如来を感得(かんとく)し、一刀三礼して像を刻んで安置したのが始まりと伝えられています。御本尊の名がそのまま寺名となった珍しいお寺です。

創建当時はさらに山深い場所にありましたが、戦国時代に長宗我部軍の兵火により荒廃。その後、江戸時代前期に阿波藩主・蜂須賀家の手厚い保護を受けて現在の地に再建されました。
何度もの火災や荒廃を乗り越え、今の美しい姿を取り戻した大日寺は、訪れる人々に「再生」と「安らぎ」の力を与え続けています。

境内の見どころ:仏像美と静寂を味わう3つのポイント

派手さはありませんが、心に染み入るような美しさが大日寺にはあります。特に注目していただきたいポイントをご紹介します。

1. 四国霊場でも珍しい「大日如来」

本堂に祀られている御本尊・大日如来坐像は、密教における最高仏であり、宇宙の真理そのものを表すとされます。
四国八十八ヶ所の中で大日如来を御本尊とするのは、ここ第4番を含めてわずか6ヶ寺のみ。秘仏であるため直接拝むことは難しいですが、本堂の前で手を合わせれば、その強大なご利益を感じられるはずです。

2. 朱色が美しい「三十三観音の回廊」

本堂と大師堂をつなぐ渡り廊下(回廊)には、西国三十三観音霊場の御本尊を模した33体の木像観音様がずらりと並んでいます。
鮮やかな朱色の柱と、穏やかな表情の観音様が織りなす風景は、大日寺一番のフォトスポットとも言える美しさ。一体一体にお参りすれば、西国霊場を巡ったのと同じ功徳が得られると言われています。

3. 心身を癒やす「びんずるさん」

本堂の縁側には、真っ赤な姿をした「賓頭盧(びんずる)尊者」の座像がいらっしゃいます。
「撫で仏」として知られ、自分の体の悪いところと同じ場所を撫でると、病気が治ると信じられています。長年多くの参拝者に撫でられてきたその姿は、人々の願いを受け止めてきた証です。

御朱印・納経について

参拝後は、境内にある納経所へ。大日寺の御朱印には、大日如来を表す梵字(バン)と「本尊 大日如来」の文字が記されます。
静かな山寺の空気の中でいただく御朱印は、心の曇りを払ってくれるような清々しさがあります。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 徳島県板野郡板野町黒谷字居内28
  • 第3番からの距離: 第3番札所・金泉寺から約5km。徒歩で約1時間15分、車で約15分の距離です。ここから少し移動距離が長くなります。
  • 駐車場: あり(無料)。山門前に整備された駐車場があり、マイクロバス等も駐車可能です。
  • 次の札所へ: 第5番札所「地蔵寺」までは約2km。徒歩で約30分、車で約5分。峠を越える道のりですが、比較的歩きやすいルートです。

まとめ:森の静寂で心を澄ます

第4番札所・大日寺は、日常の喧騒から離れ、静かに自分と向き合える場所です。 美しい回廊を歩き、びんずるさんに触れ、御詠歌にあるように「真の心」を澄ますひとときをお過ごしください。ここでの静寂が、旅の疲れを癒やしてくれることでしょう。