不動6番から県境を越えて徳島県へ。東みよし町加茂(かも)の山中に、不動7番・加茂不動院(かもふどういん)があります。
本坊である「福性寺(ふくしょうじ)」と、そこから山道を登った先にある奥の院「加茂不動院」からなる霊場です。
弘法大師が一夜で刻んだとされる「波切不動」や、腹痛を治した不思議な岩の伝説が残り、守り本尊「智慧幢童子(ちえどうどうじ)」が巡礼者の知恵を照らしてくれます。
| 山号・院号 | 宝生山 福性寺(ほうしょうざん ふくしょうじ) |
|---|---|
| 寺名 | 加茂不動院(かもふどういん) 通称:漆谷(はすたに)不動 |
| 宗派 | 真言宗御室派 |
| 御本尊(不動) | 波切不動明王(なみきりふどうみょうおう) |
| 守り本尊(童子) | 智慧幢童子(ちえどうどうじ) |
| 御真言(童子) | オン ソンバ サンバ サンバンソワカ |
不動7番・加茂不動院の歴史と縁起
御本尊は、弘法大師が一夜で彫り上げた(一夜彫り)と伝えられる梵字像で、別名を「櫨字(はぜじ)不動明王」といいます。
大正3年頃、加茂村の藤本又蔵さんという人が、山林の手入れをしている時、銅の上にある岩に座り休んでいると、不思議なことに腹の痛みが消えました。この話を福性寺の須藤僧正に話すと、「お不動さんにお礼拝んで欲しいと言うておいでじゃ」と言い、又蔵に拝み方などを教授しました。それで、又蔵は無礼を詫び一心に祈念すると、不動明王から「広く衆生を救うべし」との霊託を得て、不動堂を再建したと伝えられています。
境内の見どころ:童子と霊石
福性寺(本坊)には納経所と遙拝所がありますが、本来の加茂不動院へは約2キロの参道を登ります(※車での参拝は道が険しいためお勧めできない場合があり、遙拝所での参拝が一般的です)。
1. 守り本尊「智慧幢童子(ちえどうどうじ)」
加茂不動院が担当する三十六童子は、第7番目の「智慧幢童子」です。
「幢(どう)」とは旗や幟(のぼり)のことで、仏の知恵を旗印のように高く掲げ、人々を導く童子です。迷いの中にいる人々に、正しい判断力と解決への知恵を授けてくれると言われています。
2. 不思議な霊石伝説
縁起にもあるように、この地には「座ると腹痛が治る岩」の伝説があります。
かつて又蔵さんが腰掛けたその岩は、お不動様の力が宿る霊石として、今も人々の病気平癒の信仰を集めています。
3. 波切不動明王
ご本尊は「波切不動」であり、海のない山間部にありながら「波を切る=困難を切り開く」力を持つとされています。
人生の荒波や障害を乗り越えたいと願う人々に、強力なサポートを与えてくれるでしょう。
御朱印・納経について
参拝後は、麓にある福性寺の納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきます。
こちらで授与される御影(おみえ)には、智慧幢童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 徳島県三好郡東みよし町加茂3877(福性寺)
- 電話番号: 0883-82-2631
- 位置関係: 福性寺から加茂不動院までは約4.5km。山道に入ると離合ができない険しい山道のため、車での参拝はお勧めできません(福性寺での遥拝が一般的です)。
- 交通機関: 福性寺へはJR阿波加茂駅から約1.2km。
- 駐車場: あり(無料)。福性寺駐車場から遙拝所まで徒歩3分。
- 次の不動札所へ: 第8番「長善寺(ちょうぜんじ)」までは約4.5km。吉野川を渡り、三好市三野町へ向かいます。
まとめ:山里に伝わる不思議な治癒の力
不動7番・加茂不動院は、腹痛を治した霊石の伝説が残る、民間信仰の力強さを感じるお寺です。 智慧幢童子の知恵を授かり、心身の不調や悩みを解消して、晴れやかな気持ちで巡礼を続けましょう。