不動8番から吉野川を渡り、吉野川市山川町(やまかわちょう)へ。国道192号線から北へ入った静かな場所に、不動9番・明王院(みょうおういん)があります。
通称「川田(かわた)不動」の名で親しまれ、古くからこの地域の信仰の中心となってきました。
境内には六地蔵を祀る多宝塔があり、裏山にはミニ霊場が開かれているなど、散策しながらゆっくりと手を合わせたくなるお寺です。
| 山号・院号 | 月光山 寶積寺(がっこうざん ほうしゃくじ) |
|---|---|
| 寺名 | 明王院(みょうおういん) |
| 宗派 | 高野山真言宗 |
| 御本尊(不動) | 不動明王(ふどうみょうおう) |
| 守り本尊(童子) | 召請光童子(ちょうしょうこうどうじ) |
| 御真言(童子) | オン マリ ママリ シュマリ シエマリ トドマリ バッタ |
不動9番・明王院の歴史と縁起
寺伝によると、弘法大師が四国を巡錫された際、高越山(こうつさん)に登り、道場を設けて秘法を伝えたのが始まりとされています。
天正2年(1574年)、大施師(だいせし)が中心となって伽藍を整備し、法灯を守りました。古来より「大聖不動明王法」の秘法が伝えられており、天下泰平や諸人の快楽(けらく=安楽)を祈願してきました。
安政5年(1858年)には第18世快霊上人が老朽化した本堂を再建しましたが、現在の本堂は平成8年(1996年)に新たに建立された立派なものです。
境内の見どころ:童子と裏山の霊場
山門をくぐると、美しく整備された境内が広がり、訪れる人を温かく迎えてくれます。
1. 守り本尊「召請光童子(ちょうしょうこうどうじ)」
明王院が担当する三十六童子は、第9番目の「召請光童子」です。
「召請(ちょうしょう)」とは、招き入れること。仏の智慧の光を招き寄せ、人々に安らぎと正しい道を示す童子です。その御真言を唱えることで、良い運気やご縁を呼び込むことができると言われています。
2. 多宝塔と六地蔵
境内には美しい多宝塔が建っており、その中には六地蔵(ろくじぞう)が奉安されています。
六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天)のすべてにおいて人々を救うお地蔵様に、先祖供養や家内安全を祈りましょう。
3. 裏山の「西国三十三観音霊場」
本堂の裏山には、石仏が並ぶ遊歩道が整備されており、ここを一周することで「西国三十三観音霊場」のお砂踏み(巡礼)ができるようになっています。
静かな山道を歩きながら、観音様と不動明王の両方のご利益をいただける、ありがたいスポットです。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきます。
こちらで授与される御影(おみえ)には、召請光童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 徳島県吉野川市山川町井上214
- 電話番号: 0883-42-4331
- 交通機関: JR徳島線「川田駅」より約2.5km。車で約5分、徒歩だと30分ほどです。
- 駐車場: あり(無料)。境内に隣接して駐車場があります。
- 次の不動札所へ: 第10番「東禅寺(とうぜんじ)」までは約24km。吉野川を渡り、阿波市土成町へ向かいます。
まとめ:光を招く童子と、心洗われる裏山巡り
不動9番・明王院は、地域に根ざした温かさと、歴史ある祈りの深さを感じられるお寺です。 召請光童子に良いご縁を招いていただき、裏山のミニ霊場で心を整えて、次の札所へと進みましょう。