不動12番から東へ約8キロ。徳島市不動本町(ふどうほんちょう)の鮎喰川(あくいがわ)下流域に、不動13番・密厳寺(みつごんじ)があります。
地名にもなっている通り、ここは「新居(あくい)不動」の名で古くから親しまれる信仰の町。
徳島藩主・蜂須賀家の庇護を受け、諸災消除や万民豊楽の祈願所として栄えた歴史を持ち、守り本尊「伊醯羅童子(いけいらどうじ)」と共に、人々の暮らしを見守り続けています。
| 山号・院号 | 降魔山(ごうまさん) |
|---|---|
| 寺名 | 密厳寺(みつごんじ) |
| 宗派 | 高野山真言宗 |
| 御本尊(不動) | 不動明王(ふどうみょうおう) 通称:新居不動(あくいふどう) |
| 守り本尊(童子) | 伊醯羅童子(いけいらどうじ) |
| 御真言(童子) | オン ダギニ エイ ソワカ |
不動13番・密厳寺の歴史と縁起
寺伝によると、行基菩薩が諸国を遍歴した際、この地に立ち寄り、霊木にて不動明王像を直刻して安置したのが始まりとされています。
その後、弘法大師がこの尊像を深く信仰せられ、逆瀬川(現在の鮎喰川)の洪水で苦しんでいる住民を救おうと、七日間にわたり秘法護摩を厳修されました。
長宗我部軍の兵火に罹(かか)るも、蜂須賀篤嶌主(はちすかこうしゅ)の庇護を受け再興。江戸中期、安永の時代から諸災消除、万民豊楽の祈願所として信仰を集めました。
春には白壁塀の山門に桜が映える美しい景観が見られ、厄除け薬師を納める薬師堂や車不動堂、地蔵堂などが並んでいます。
境内の見どころ:童子と藩主ゆかりの祈り
住宅街の中にありながら、広々とした境内は歴史の風格を感じさせます。
1. 守り本尊「伊醯羅童子(いけいらどうじ)」
密厳寺が担当する三十六童子は、第13番目の「伊醯羅童子」です。
そのお姿は、左手に独鈷杵(とっこしょ)を持ち、力強く立つ姿をしています。あらゆる災厄を払い、人々に生きる力と豊かさをもたらす童子として、新居不動のご利益と共に信仰されています。
2. 諸災消除・万民豊楽の祈願所
「新居のお不動さん」は、古くから厄除けや家内安全、商売繁盛などの願いを叶える仏様として頼りにされてきました。
安永の時代(1772年〜)から続く祈願所としての歴史は、地域の人々の厚い信仰心によって支えられています。
3. 桜の名所
春になると、山門の白壁と桜のコントラストが見事で、多くの花見客で賑わいます。
また、境内には「車不動堂」もあり、交通安全の祈願にも多くの人が訪れます。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきます。
こちらで授与される御影(おみえ)には、伊醯羅童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 徳島県徳島市不動本町1-258
- 電話番号: 088-631-0139
- 交通機関: JR徳島線「蔵本駅」より約2km。
- 駐車場: あり(無料)。駐車場は境内に隣接しています。
- 次の不動札所へ: 第14番「正光寺(しょうこうじ)」までは約23km。徳島市内を抜け、阿南市方面へ南下します。
まとめ:川のほとりで願う、平穏と豊かさ
不動13番・密厳寺は、洪水を鎮めた伝説が残る、人々の暮らしに寄り添うお寺です。 伊醯羅童子と新居不動尊に、日々の平穏と豊かな生活を祈り、桜のような明るい気持ちで巡礼を続けましょう。