別格15番(徳島県三好市)から県境を越え、香川県観音寺市へ。雲辺寺山の麓、五郷渓谷(ごごうけいこく)の入り口に、別格16番・萩原寺(はぎわらじ)があります。
その名の通り「萩(はぎ)の寺」として名高く、秋には境内いっぱいに赤や白の萩の花が咲き乱れる美しいお寺です。
弘法大師作と伝わる地蔵菩薩や、金運の神様・弁財天を祀り、古くから地元の人々に「萩原さん」と呼ばれ親しまれています。
| 山号・院号 | 巨鼇山 地蔵院(きょごうざん じぞういん) |
|---|---|
| 宗派 | 真言宗大覚寺派 |
| 御本尊 | 伽羅陀山火伏地蔵菩薩(きゃらださんひぶせじぞうぼさつ) |
| 開基 | 弘法大師(空海) |
| 御真言 | オン・カカカ・ビ・サンマエイ・ソワカ |
| 御詠歌 | 尊(とうと)くも 危(あやう)き灯(ひ)をば 萩原(はぎわら)の 聖(ひじり)の御手(みて)に 守(まも)り給(たま)わん (意味:尊い地蔵菩薩様は、消え入りそうな危うい命の灯火でさえも、その聖なる御手で守り続けてくださるだろう) |
別格16番・萩原寺の歴史と縁起
大同2年(807年)、弘法大師がこの地を巡錫した際、地蔵菩薩を感得しました。
大師は地蔵尊を刻んで本尊とし、堂宇を建立。当時の境内には萩の花が一面に咲き乱れていたことから、寺号を「萩原寺」と名付けたと伝えられています。
かつては八十八ヶ所第66番・雲辺寺の前札所として、また雲辺寺へ登る参拝者の宿坊として賑わいました。
細川氏や生駒氏、京極氏といった歴代領主の保護を受け、広大な寺領を持つ大寺院として栄えた歴史を持っています。
境内の見どころ:萩の花と弁天様
緑豊かな境内は、秋の「萩まつり」の時期はもちろん、四季を通じて静かな祈りの場となっています。
1. 四国随一「萩の寺」
境内には約2500株もの萩が植えられており、毎年9月中旬から下旬にかけて見頃を迎えます。
「萩まつり」の期間中は、赤紫や白の可憐な花が参道を彩り、多くの観光客やお遍路さんで賑わいます。万葉集にも詠まれた秋の風情を存分に楽しめるスポットです。
2. 火伏せ地蔵と「子安観音」
御本尊の地蔵菩薩は「火伏せ地蔵」とも呼ばれ、火災除けのご利益があるとされています。
また、境内には「子安観音」や「水子地蔵」も祀られており、子供の健康や成長、供養を願う親たちの信仰を集めています。急須(きゅうす)の形をした珍しいお墓があることでも知られています。
3. 金運・芸能の神「弁財天」
仁王門の近くには朱塗りの「弁財天社」があります。
七福神の一人である弁財天は、金運や財運、そして芸能・音楽の才能を授けてくれる神様です。華やかなお堂にお参りして、豊かさと才能の開花を祈願しましょう。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。別格霊場の御朱印をいただきます。
御本尊が地蔵菩薩であるため、御影(おみえ)も優しいお顔の地蔵尊です。萩の花が描かれたお守りなど、季節感のある授与品も人気です。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 香川県観音寺市大野原町萩原2742
- 位置関係: 八十八ヶ所第66番・雲辺寺へ向かうロープウェイ乗り場の近く(車で約10分)にあります。雲辺寺と合わせてお参りするのがおすすめです。
- 別格15番からの距離: 別格15番・箸蔵寺から車で約25分。国道32号・県道を経由して香川県側へ戻ります。
- 駐車場: あり(無料)。仁王門前に駐車場があります。
- 次の別格札所へ: 別格第17番「神野寺(かんのじ)」までは約15km。日本最大のため池「満濃池(まんのういけ)」のほとりへ向かいます。
まとめ:可憐な花と優しい仏様に癒やされて
別格16番・萩原寺は、萩の花が揺れる美しい風景と、地蔵菩薩の慈悲に包まれたお寺です。 雲辺寺の雄大さとはまた違う、里寺ならではの温かさに触れ、心安らぐひとときをお過ごしください。