【第18番札所 恩山寺】女人解禁の歴史と母への孝行!空海ゆかりの古刹

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第18番札所 恩山寺の山門と緑豊かな参道
第18番札所 恩山寺:母への孝行心が息づく「女人解禁」の寺

第17番札所から約17キロ。徳島市の中心部を抜け、小松島市の山あいに進むと、第18番札所・恩山寺(おんざんじ)が現れます。

ここは弘法大師(空海)の母君ゆかりのお寺として知られています。かつては女人禁制の道場でしたが、母君の来訪を機に大師がその禁を解き、女性の参拝を許したという歴史的エピソードが残る場所。
「母の恩」をその名に刻む恩山寺。静かな山寺に秘められた、親子の絆と優しさの物語をご案内します。

山号・院号 母養山 宝樹院(ぼようざん ほうじゅいん)
宗派 高野山真言宗
御本尊 薬師如来(やくしにょらい)
開基 行基菩薩
御真言 オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ
御詠歌 子(こ)を産(う)める 母(はは)の恩山(おんざん) 宝樹(ほうじゅ)の 木々(きぎ)の穂先(ほさき)に ふる時雨(しぐれ)かな (意味:私を産んでくれた母の恩は、この恩山寺の宝樹の木々に降る時雨のように、深く心に染み入るものだ)

18番札所・恩山寺の歴史と縁起

恩山寺の歴史において最も重要なのが、「女人解禁」の伝説です。

弘法大師がこの寺で修行をしていた頃、母君である玉依御前(たまよりごぜん)が、息子に会うために讃岐(香川県)から訪ねて来られました。しかし、当時のこの山は女人禁制であり、母君は山門の前で足止めされてしまいました。
それを知った大師は、7日間にわたり滝に打たれる秘法を行い、女人禁制を解きました。そして母君を迎え入れ、孝養を尽くしたといいます。

母君はここで剃髪して仏門に入り、自身の髪を奉納されました。大師は、母を養う山という意味で山号を「母養山」に、母への恩に報いる寺として寺号を「恩山寺」に改めたと伝えられています。

境内の見どころ:大師お手植えの木と母への想い

恩山寺は山の中腹にあり、静寂に包まれています。大師の母君への想いが感じられる見どころが点在しています。

1. 天然記念物「ビラン樹」

境内には、弘法大師が母君のために植えたと伝わる「ビラン樹(別名:バクチノキ)」の巨木があります。
県の天然記念物に指定されているこの木は、赤褐色の樹皮が剥がれ落ちる様子が特徴的です。母を想う大師の心が、千年の時を超えて今も青々と茂っています。

2. 玉依御前の「剃髪所跡」

山門の近くには、母君・玉依御前が髪を剃って出家したとされる「玉依御前剃髪所」の小さなお堂があります。
ここには母君の髪が奉納されたと伝えられており、親子の深い絆を感じさせる聖地として、多くの参拝者が手を合わせます。

3. 源義経ゆかりの地

恩山寺は源義経にもゆかりがあります。源平合戦の際、義経軍が小松島に上陸し、この寺に立ち寄って必勝祈願をしたと言われています。
境内は赤土の地面が特徴的で、木々の緑とのコントラストが美しく、歴史の重みを感じさせる風景を作り出しています。

御朱印・納経について

参拝後は納経所へ。恩山寺の御朱印には、薬師如来を表す梵字(バイ)と「本尊 薬師如来」の文字が記されます。
「恩山寺」という寺名は、親への感謝を再確認させてくれる響きがあります。両親への感謝を込めていただいてみてはいかがでしょうか。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷40
  • 第17番からの距離: 第17番札所・井戸寺から約17km。徳島市の中心部を通過する長い道のりです。車で約40分、徒歩だと約4〜5時間かかります。
  • 駐車場: あり(無料)。山門の近くまで車で上がることができますが、急な坂道があるため運転には注意が必要です。
  • 次の札所へ: 第19番札所「立江寺」までは約4km。徒歩で約1時間、車で約10分。比較的近い距離にあります。

まとめ:母への感謝を捧げる寺

第18番札所・恩山寺は、弘法大師の人間味あふれる孝行心に触れられる場所です。 厳しい修行僧であった大師が、母のために禁を解いた優しさ。その物語を思い浮かべながらお参りすれば、きっと温かい気持ちになれることでしょう。

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