【第19番札所 立江寺】四国の総関所と黒髪堂!邪悪を断つ霊場

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第19番札所 立江寺の本堂と黒髪堂
第19番札所 立江寺:「四国の総関所」と呼ばれる威厳ある古刹

第18番札所から約4キロ。町中にあるにもかかわらず、どこか緊張感と威厳が漂うのが第19番札所・立江寺(たつえじ)です。

ここは「阿波の関所(四国の総関所)」として恐れられ、また敬われてきたお寺です。心が清らかな人は無事に通れますが、邪悪な心や罪を持つ人は、ここで罰を受け、先に進めなくなると言われています。
特に「黒髪堂」に残る伝説は、お遍路の厳しさと改心の大切さを今に伝えています。身を引き締めてお参りしたい、徳島県最後の霊場です。

山号・院号 橋池山 摩尼院(きょうちざん まにいん)
宗派 高野山真言宗
御本尊 延命地蔵菩薩(えんめいじぞうぼさつ)
開基 行基菩薩
御真言 オン・カカカ・ビ・サンマエイ・ソワカ
御詠歌 いつかさて 西(にし)の住居(すまい)の わが立江(たつえ) 弘誓(ぐぜい)の船(ふね)に 乗(の)りていたらん (意味:いつの日か、西方浄土の住まいであるこの立江寺に、仏の救いの船に乗って辿り着きたいものだ)

19番札所・立江寺の歴史と縁起

天平19年(747年)、聖武天皇の勅願により行基菩薩が延命地蔵菩薩を刻み、建立したのが始まりです。当初は現在地より西の山にありましたが、弘法大師が訪れた際に、この地が霊地であると悟り、現在の場所に移したと伝えられています。

四国八十八ヶ所には「関所寺(せきしょでら)」と呼ばれる、罪人の通過を許さない厳しいお寺がいくつかありますが、ここ立江寺は「四国の総関所」として最も重要な位置づけにあります。
もしここを無事に通過できなければ、それは「心が整っていない」証拠。一度戻って出直さなければならないとされ、古くから巡礼者たちに恐れられ、信仰されてきました。

境内の見どころ:伝説の黒髪堂と安産の地蔵

境内には、立江寺が「関所」と呼ばれる所以(ゆえん)となった衝撃的な伝説が残るお堂があります。

1. 罪を戒める「黒髪堂」

境内の一角にある小さなお堂「黒髪堂」には、ある伝説が残されています。
昔、お京という女性が、夫を殺して愛人とともにお遍路をしていました。しかし立江寺に参拝しようとした瞬間、突然鐘の緒が下りてきて、お京の髪を巻き上げ、頭皮ごと剥ぎ取ってしまったのです。
お京は自らの罪を悔い改め、その髪と頭皮を奉納して出家しました。その実物が今もこのお堂に祀られていると言われ、悪行を戒める象徴となっています。

2. 安産を見守る「子安の地蔵尊」

厳しい関所の顔を持つ一方で、立江寺の御本尊・延命地蔵菩薩は「立江の地蔵さん」として親しまれ、特に「安産」のご利益で有名です。
弘法大師がこの地に移転させた際、「人々の苦難を救い、命を延ばし、安産を守るように」と祈願したことから、多くの妊婦さんや家族が安産祈願に訪れます。

3. 天井画が美しい「本堂」

昭和49年に再建された本堂は、鉄筋コンクリート造りの立派な建物です。
堂内の天井には、東京芸術大学の教授らによって描かれた286枚もの花鳥風月の日本画が奉納されており、その美しさは圧巻です。参拝の際はぜひ天井を見上げてみてください。

御朱印・納経について

参拝後は納経所へ。立江寺の御朱印には、地蔵菩薩を表す梵字(カ)と「本尊 延命地蔵尊」の文字が記されます。
無事に関所を通過できた証としていただく御朱印は、次の「修行の道場(高知県)」へ向かうための通行手形のような重みがあります。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 徳島県小松島市立江町若松13
  • 第18番からの距離: 第18番札所・恩山寺から約4km。徒歩で約1時間、車で約10分。道中は平坦で歩きやすいルートです。
  • 駐車場: あり(有料:普通車300円)。山門周辺に民営の駐車場がいくつかあります。
  • 次の札所へ: 第20番札所「鶴林寺」までは約13km。ここからいよいよ「阿波の難所」と呼ばれる険しい山道が始まり、次の寺までは徒歩で約4〜5時間、車で約30分の移動となります。

まとめ:心を清めて関所を越える

第19番札所・立江寺は、自分の心に嘘や後ろめたいことがないか、静かに問いかけてくる場所です。 黒髪堂の伝説に背筋を正し、お地蔵様に手を合わせることで、心身ともに清らかな状態へとリセットされます。ここで阿波(徳島)の霊場巡りはクライマックスを迎え、次は土佐(高知)の修行の道へと続きます。

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