【第20番札所 鶴林寺】鶴が守った地蔵伝説!遍路ころがしの難所

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第20番札所 鶴林寺の山門と鶴の像
第20番札所 鶴林寺:標高550mの山頂に建つ、鶴伝説の霊場

第19番札所から約13キロ。平地から一転して険しい山道を登り詰めた先、標高約550メートルの山頂に第20番札所・鶴林寺(かくりんじ)があります。

ここは第12番・焼山寺に続く「遍路ころがし(難所)」の一つ。長い山道を越えてたどり着く境内は、下界の喧騒が嘘のように静まり返り、樹齢数百年の杉や松の古木が神聖な空気を漂わせています。
弘法大師が黄金のお地蔵様を守る「鶴」を目撃したという伝説が残る、神秘的な山岳霊場の魅力をご案内します。

山号・院号 霊鷲山 宝珠院(りょうじゅざん ほうじゅいん)
宗派 高野山真言宗
御本尊 地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
開基 弘法大師(空海)
御真言 オン・カカカ・ビ・サンマエイ・ソワカ
御詠歌 しげりつる 鶴(つる)の林(はやし)を しるべにて 大師(だいし)ぞいます 地蔵(じぞう)帝釈(たいしゃく) (意味:木々が茂るこの鶴の林を道しるべとして、弘法大師をはじめ、地蔵菩薩や帝釈天がいらっしゃる尊い場所だ)

20番札所・鶴林寺の歴史と縁起

鶴林寺の開創は、弘法大師がこの山で修行を行っていた延暦17年(798年)のことです。
ある時、大師は2羽の鶴が黄金に輝く小さなお地蔵様を両翼で守りながら、杉の梢に舞い降りるのを目撃しました。大師は「これぞ霊地である」と感激し、近くの霊木で高さ約90センチの地蔵菩薩像を彫り、その胎内(お腹の中)に黄金のお地蔵様を納めて本尊としました。

この伝説から、山号を「霊鷲山(インドの聖山)」、寺号を鶴にちなんで「鶴林寺」と名付けたと伝えられています。御本尊は「お鶴さん」として親しまれ、古くから皇室や武将の信仰を集めてきました。

境内の見どころ:鶴の伝説と三重塔

山頂に位置する境内は、空気が澄み渡り、歴史ある建造物と自然が見事に調和しています。

1. 山門を守る「鶴の像」

仁王門をくぐると、伝説にちなんだ「鶴の像」が参拝者を迎えてくれます。
雌雄一対の鶴が仲良く並ぶ姿は、このお寺のシンボル。山深い難所を登ってきたお遍路さんの疲れを、優しく癒やしてくれるような佇まいです。

2. 国の重要文化財「三重塔」

境内の中でもひときわ目を引くのが、文政10年(1827年)に建立された朱色の「三重塔」です。
徳島県内で唯一の三重塔として国の重要文化財に指定されており、周囲の緑深い木々とのコントラストは絶景。霧がかかった日には、より一層幻想的な雰囲気を醸し出します。

3. 波切地蔵(なみきりじぞう)

本堂の横には、海上の安全を守る「波切地蔵」が祀られています。
山の上にあるお寺ですが、ここからは遠く紀伊水道を望むことができ、古くから漁師や船乗りたちの信仰を集めてきました。人生の荒波を乗り切るご利益があるとも言われています。

御朱印・納経について

参拝後は納経所へ。鶴林寺の御朱印には、地蔵菩薩を表す梵字(カ)と「本尊 地蔵尊」の文字が記されます。
山岳霊場ならではの達成感とともにいただく御朱印は、鶴のように飛躍する力を授けてくれそうです。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾14
  • 第19番からの距離: 第19番札所・立江寺から約13km。車で約30分、徒歩だと約4〜5時間の登山となります。「遍路ころがし」と呼ばれる急勾配が続くため、歩き遍路の方は十分な装備と準備が必要です。
  • 駐車場: あり(無料)。山門前に整備されていますが、お寺までの車道は狭くカーブが多いため、運転には細心の注意が必要です。
  • 次の札所へ: 第21番札所「太龍寺」までは約6.7km。一度山を下り、再び次の山へ登るという、さらに厳しい「遍路ころがし」が続きます(車の場合はロープウェイ利用が一般的です)。

まとめ:鶴に導かれ、雲上の聖地へ

第20番札所・鶴林寺は、厳しい山道を越えた者だけがたどり着ける、天空の聖地です。 鶴が守ったお地蔵様の伝説に思いを馳せ、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込めば、心身ともに浄化されるような体験が待っています。

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