不動20番から海岸線沿いに南へ約17キロ。今治市朝倉(あさくら)の静かな田園地帯に、不動21番・満願寺(まんがんじ)があります。
第5番札所と同じ寺名ですが、こちらは「金毘羅山(こんぴらさん)」と呼ばれる山腹に位置するお寺です。
戦国時代の兵火を逃れ、守り抜かれた「護摩堂の満願不動」と、智慧の光で人々を照らす守り本尊「大光明童子(だいこうみょうどうじ)」が、参拝者の願いを成就へと導きます。
| 山号・院号 | 金毘羅山(こんぴらさん) |
|---|---|
| 寺名 | 満願寺(まんがんじ) |
| 宗派 | 高野山真言宗 |
| 御本尊(不動) | 薬師如来(やくしにょらい) ※不動霊場本尊は不動明王 |
| 守り本尊(童子) | 大光明童子(だいこうみょうどうじ) |
| 御真言(童子) | オン ノウマク サマンダ カンマン キリク |
不動21番・満願寺の歴史と縁起
天平6年(734年)、中国から三論の法を学び帰国した道慈律師が、南海道巡錫中にこの寺に立ち寄り、本尊開眼法要の導師を務め開創したと伝わります。
守護地頭の頂の地から地方の権力者との結びつきが強く、戦国時代には霊仙山城主・中川山城守親武の祈願所でした。
天正13年(1585年)、豊臣秀吉の四国征伐軍が来攻し、霊仙山城は落城して本陣である満願寺は放火され、寺の全てを焼失してしまいました。
後に、本堂北方の山頂に諸の守護神である羅大権現を奉斎して庶民の信仰を集めたとされています。
境内の見どころ:童子と願いの護摩堂
戦火を乗り越え、地域の人々に守られてきた境内は、歴史の深さを感じさせます。
1. 守り本尊「大光明童子(だいこうみょうどうじ)」
満願寺が担当する三十六童子は、第21番目の「大光明童子」です。
「大光明」とは、仏の智慧の光が遍く世界を照らすことを意味します。その名の通り、悩みや迷いの闇を明るく照らし出し、解決への道筋を示してくれる童子として信仰されています。
2. 願いが叶う護摩堂の満願不動
「願いが叶う護摩堂の満願不動」として、古くから多くの人々の祈りを受け止めてきました。
戦国時代の兵火で一度は焼失しましたが、不動明王への信仰は絶えることなく、復興を果たした力強いお不動様です。心願成就を願って、静かに手を合わせましょう。
3. 風情ある境内
境内には護摩堂のほか、本堂や庫裏があり、落ち着いた佇まいを見せています。
四季折々の風情を感じながら、歴史の変遷に思いを馳せることができる場所です。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきます。
こちらで授与される御影(おみえ)には、大光明童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 愛媛県今治市朝倉下甲146
- 電話番号: 0898-56-2057
- 交通機関: JR予讃線「伊予桜井駅」より約3km。タクシー利用が便利です。
- 駐車場: あり(無料)。駐車場から境内までは徒歩1分です。
- 次の不動札所へ: 第22番「興隆寺(こうりゅうじ)」までは約15km。西条市丹原町方面へ向かいます。
まとめ:戦火を越えた不動の光に導かれて
不動21番・満願寺は、戦国時代の歴史を今に伝える、不屈の精神が宿るお寺です。 大光明童子の智慧の光に照らされ、「満願」の名の通り、願いが成就することを信じて、次の霊場へと進みましょう。