不動21番から内陸へ約15キロ。西条市丹原町(たんばらちょう)の山裾に広大な寺域を誇る不動22番・興隆寺(こうりゅうじ)があります。
真言宗醍醐派の別格本山であり、皇極天皇の時代に開かれたとされる古刹です。
紅葉の名所として知られる美しい参道の奥には、人々の苦しみを代わって受ける「身代わり不動」と、守り本尊「小光明童子(しょうこうみょうどうじ)」が鎮座し、訪れる人々を慈悲の光で包み込みます。
| 山号・院号 | 仏王山 仏眼院(ぶつおうざん ぶつがんいん) |
|---|---|
| 寺名 | 興隆寺(こうりゅうじ) |
| 宗派 | 真言宗醍醐派 |
| 御本尊(不動) | 不動明王(ふどうみょうおう) 通称:身代り不動 ※本堂本尊は千手観音菩薩 |
| 守り本尊(童子) | 小光明童子(しょうこうみょうどうじ) |
| 御真言(童子) | オン シンバラ ソワカ |
不動22番・興隆寺の歴史と縁起
第35代皇極天皇(642〜45年)の御代、空鉢上人によって開基されました。その後、行基菩薩、報恩大師、弘法大師が入山し、修行の場として栄えました。
延暦年間には桓武天皇(781〜806年)の勅願寺となり、七堂伽藍を整えたと伝えられています。
皇室をはじめ、源頼朝、河野家、久松家などの武門、地域信徒の崇敬も厚く、現在の本堂は源頼朝公の再建(1375年)と伝えられる、大変歴史的価値の高いものです。
当山の不動明王は「身代り不動尊」と呼ばれています。本尊である千手観音の「汝、行きて衆生の厄難身に代わるべし(お前が行って、人々の苦しみを代わりに受けなさい)」という法言により、普賢菩薩の化身として信仰を集めています。
境内の見どころ:童子と紅葉の名所
季節の花木に彩られる境内は、県の名勝にも指定されている美しい場所です。
1. 守り本尊「小光明童子(しょうこうみょうどうじ)」
興隆寺が担当する三十六童子は、第22番目の「小光明童子」です。
「小」とつきますが、その光明(智慧の光)は闇を照らし、悩める人々の足元を明るく照らしてくれます。ささやかな希望の光を見出し、前へ進む力を与えてくれる優しい童子です。
2. 衆生を救う「身代わり不動」
不動明王は、観音様の命を受けて私たちの身代わりとなり、災厄や病苦を引き受けてくださるとされています。
辛いことや苦しいことがある時は、その荷物を少しお不動様に預けて、心を軽くしてください。
3. 秋の紅葉と文化財
興隆寺は愛媛県内でも有数の「紅葉の名所」として知られています。
秋になると参道や境内が鮮やかな赤や黄色に染まり、多くの参拝者で賑わいます。また、宝物館には飛鳥時代の釈迦金銅仏や西山文書など、貴重な宝物が収蔵されています。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきます。
こちらで授与される御影(おみえ)には、小光明童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 愛媛県西条市丹原町古田1657
- 電話番号: 0898-68-7275
- 交通機関: JR予讃線「壬生川(にゅうがわ)駅」より約8km。
- 駐車場: あり(無料)。参道入口付近に駐車場があります。本堂までは徒歩5〜10分ほど石段を登ります。
- 次の不動札所へ: 第23番「極楽寺(ごくらくじ)」までは約21km。西条市内を東へ進みます。(※愛媛県には「極楽寺」という名前の札所が複数あるので注意してください)
まとめ:歴史と自然に抱かれた身代わりの聖地
不動22番・興隆寺は、長い歴史を持つ伽藍と、美しい自然が調和した荘厳なお寺です。 小光明童子の光と、身代わり不動の慈悲に触れ、心身ともに癒やされて次の旅路へ向かいましょう。