不動24番から東へ約21キロ。四国中央市土居町(どいちょう)ののどかな田園地帯に、不動25番・睍壽院(けんじゅいん)があります。
正式な寺名は「法律寺(ほうりつじ)」と言い、奈良時代に行基菩薩が開基した古刹です。
「睍(けん)不動」の名で親しまれ、守り本尊「僧守護童子(そうしゅごどうじ)」と共に、仏道を歩む人々や参拝者を温かく見守っています。
| 山号・院号 | 五寶山 法律寺(ごほうざん ほうりつじ) |
|---|---|
| 寺名 | 睍壽院(けんじゅいん) |
| 宗派 | 真言宗御室派 |
| 御本尊(不動) | 不動明王(ふどうみょうおう) 通称:睍不動(けんふどう) |
| 守り本尊(童子) | 僧守護童子(そうしゅごどうじ) |
| 御真言(童子) | オン キリク サンバン タラク |
不動25番・睍壽院の歴史と縁起
奈良時代(710〜94年)の昔、行基菩薩が四国巡錫の時、この近井郭中村の里に宿り、草庵を建立しました。併せて、陶器製法(すえもの)を教え、地方民を教化した旧跡と伝えられています。
天正年間(1573〜92年)の長宗我部軍の四国征伐の折、その威に従い讃岐萩原寺の末寺となりましたが、享和の年、良雄僧正が当山に晋山(しんざん)するにあたり、京都嵯峨御所大覚寺の直末となり、天保12年(1841年)に「大覚寺塔頭常住金剛院兼帯院」と公認され、「院家(いんげ)」の号を許されました。
山門など平成の大修理が整い、歴史の重みを感じさせる伽藍が蘇っています。
境内の見どころ:童子と西国三十三観音
静かな境内には、さまざまな仏様が祀られ、巡礼者の心を和ませます。
1. 守り本尊「僧守護童子(そうしゅごどうじ)」
睍壽院が担当する三十六童子は、第25番目の「僧守護童子」です。
その名の通り、僧侶や仏道を志す人々を守護する童子ですが、広く解釈すれば「正しい心で生きようとする全ての人」を守る存在です。迷いや誘惑から心を守り、修行や努力を成就させる力を授けてくれます。
2. 「睍(けん)不動」の由来
「睍(けん)」という字は、「見る」や「流し目に見る」という意味があります。
睍不動は、慈悲の眼差しで衆生を見守り、時には厳しく、時には優しく、私たちを正しい方向へと導いてくださるお不動様です。
3. 西国三十三観音の石像
不動堂の裏手には、西国三十三所観音霊場のそれぞれの観音様の石像が祀られています。
ここを一巡りすることで、西国巡礼の功徳をいただけるとされ、地域の人々の信仰を集めています。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきます。
こちらで授与される御影(おみえ)には、僧守護童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 愛媛県四国中央市土居町中村640
- 電話番号: 0896-74-2432
- 交通機関: JR予讃線「伊予土居駅」より約1km。徒歩でもアクセス可能です。
- 駐車場: あり(無料)。山門内まで車で入れます(徒歩1分)。
- 次の不動札所へ: 第26番「仙龍寺(せんりゅうじ)」までは約20km。山深い新宮町方面へ向かいます。
まとめ:陶芸の里で感じる、守りの眼差し
不動25番・睍壽院は、行基菩薩の伝承と、人々を見守る「睍不動」の眼差しを感じられるお寺です。 僧守護童子に心の守りを祈り、静かな境内で心を整えて、次の山岳霊場へと向かいましょう。