不動26番から山を下り、製紙の町として知られる四国中央市川之江町(かわのえちょう)へ。ここに、地元では「椿堂(つばきどう)」の名で親しまれる不動27番・常福寺(じょうふくじ)があります。
弘法大師がこの地で熱病に苦しむ人々を救い、その杖を地面に刺したところ椿の芽が出たという伝説を持つ古刹です。
守り本尊「虚空蔵童子(こくうぞうどうじ)」と、撫でて病気を癒やす「身代わり大師」が、訪れる人々を優しく迎えてくれます。
| 山号・院号 | 邦治山 不動院(ほうじざん ふどういん) |
|---|---|
| 寺名 | 常福寺(じょうふくじ) 通称:椿堂(つばきどう) |
| 宗派 | 高野山真言宗 |
| 御本尊(不動) | 大型不動明王(おおがたふどうみょうおう) ※本堂本尊は延命地蔵菩薩 |
| 守り本尊(童子) | 虚空蔵童子(こくうぞうどうじ) |
| 御真言(童子) | オン メイガ シャニ ヘンバラ ウン ソワカ |
不動27番・常福寺の歴史と縁起
平安時代初期の大同2年(807年)、邦治居士(ほうじこじ)が地蔵菩薩を祀り、当地に庵を結びました。弘仁6年(815年)、四国巡錫中の弘法大師がこの地で流行していた熱病(非熱)を、錫杖と共に邪気を地中に封じ込めて鎮めました。
その杖から椿が芽を出し、大木と育ち「椿堂」と呼ばれるようになったと伝えられています。
江戸時代中期の宝暦11年(1761年)、近くにあった常福寺が全焼。このため、常福寺を現在地に移し、椿堂としました。
現在の本堂は昭和59年、大師堂は平成17年に再建されたものです。
境内の見どころ:童子と身代わり大師
別格霊場の14番札所でもあり、多くの参拝者で賑わう境内は、明るく開かれた雰囲気です。
1. 守り本尊「虚空蔵童子(こくうぞうどうじ)」
常福寺が担当する三十六童子は、第27番目の「虚空蔵童子」です。
虚空蔵菩薩の化身とされ、無限の宇宙(虚空)のような広大な知恵と記憶力を授けてくれる童子です。学業成就や、物忘れ防止などを願う人々に力を貸してくださいます。
2. 撫でて治す「身代わり大師」
大師堂には「おさわり大師」とも呼ばれる「身代わり大師」像が安置されています。
自分の体の悪いところと同じ場所を撫でて祈願すると、大師が身代わりとなって病気や痛みを治してくださると信仰されています。
3. 火伏せ不動と長寿延命
当山の不動明王は「火伏せ不動」とも呼ばれ、火災除けのご利益でも知られています。
また、本尊の延命地蔵菩薩と共に、長寿延命のご利益もあるとされ、健康長寿を願う人々にとっても大切な祈りの場です。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。不動霊場の専用納経帳に御朱印をいただきます。
こちらで授与される御影(おみえ)には、虚空蔵童子のお姿が描かれています。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 愛媛県四国中央市川之江町川之江町2101
- 電話番号: 0896-56-4523
- 交通機関: JR予讃線「川之江駅」より約0.6km。駅から徒歩約8分です。
- 駐車場: あり(無料)。境内まで徒歩1分の場所にあります。
- 次の不動札所へ: 第28番「萩原寺(はぎわらじ)」までは約7km。県境を越えて香川県観音寺市へ入ります。
まとめ:大師の杖が根付いた癒やしの地
不動27番・常福寺(椿堂)は、弘法大師の伝説が息づく、病気平癒と知恵授けのお寺です。 虚空蔵童子に知恵を、身代わり大師に健康を祈り、愛媛県最後の霊場を後にして、いよいよ香川県へと向かいましょう。