【第36番札所 青龍寺】波切不動と独鈷の松!唐から届いた祈りの聖地

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第36番札所 青龍寺の石段と三重塔
第36番札所 青龍寺:170段の石段の上に建つ、海の守り神

第35番札所から約14キロ。美しいリアス式海岸が続く横浪(よこなみ)半島の先端近くに、第36番札所・青龍寺(しょうりゅうじ)があります。

ここは、弘法大師が唐(中国)から帰国する際、恩返しのために投げた法具「独鈷(とっこ)」が流れ着いたという、壮大な伝説の舞台です。
四国八十八ヶ所の中で唯一、海難除けの「波切不動明王」を御本尊としており、漁師や船乗りたちからの篤い信仰に支えられた、潮騒の聞こえる霊場をご案内します。

山号・院号 独鈷山 伊舎那院(とっこざん いしゃないん)
宗派 高野山真言宗
御本尊 波切不動明王(なみきりふどうみょうおう)
開基 弘法大師(空海)
御真言 ノウマク・サンマンダ・バザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウン・タラタ・カン・マン
御詠歌 わずかなる 泉(いずみ)に棲(す)める 青龍(せいりゅう)は 仏法(ぶっぽう)守護(しゅご)の 誓(ちか)いとぞきく (意味:わずかな泉に棲むという青龍は、仏法を守護するという固い誓いを立てていると聞く)

36番札所・青龍寺の歴史と縁起

青龍寺の創建は、弘法大師が唐の長安にある「青龍寺」で恵果和尚(けいかかしょう)から密教の奥義を授かったことに始まります。

帰国の際、大師は恩に報いるため、仏法を広めるのにふさわしい地を求め、唐の港から東の空へ「独鈷杵(とっこしょ)」という法具を投げました。
帰国後、大師がこの地を巡錫していると、松の枝にその独鈷がかかっているのを発見。「こここそが霊地である」と悟り、時の嵯峨天皇に奏上して寺を建立しました。恩師の寺の名をとって「青龍寺」、山号を「独鈷山」と名付けたと伝えられています。

境内の見どころ:170段の石段と波切不動

宇佐大橋を渡り、海沿いの道を進んだ先にある境内は、深い緑と朱色の堂宇が印象的です。

1. 試練の「170段の石段」

仁王門から本堂までは、長く急な石段が続きます。その数、約170段。
苔むした石垣と木々に囲まれた参道は静寂そのもので、一段登るごとに俗世の垢が落ちていくような神聖な空気に満ちています。息を切らして登り切った先には、鮮やかな朱色の三重塔や本堂が迎えてくれます。

2. 海の安全を守る「波切不動明王」

本堂に祀られている御本尊は「波切不動明王」です。
弘法大師が唐から帰国する際、暴風雨に遭い、不動明王に祈願して剣で波を切り裂き、無事に帰還できたという伝説に由来します。航海安全や豊漁だけでなく、人生の荒波を切り開くご利益があるとして、深く信仰されています。

3. 奥の院と「独鈷の松」

境内には、唐から飛んできた独鈷が引っかかっていたという伝説の「独鈷の松」がありましたが、現在は枯れてしまい、その切り株が大切に祀られています。
また、本堂からさらに600メートルほど進んだ横浪半島の突端には「奥の院」があり、そこには石造りの不動明王像が安置されています。太平洋の波音が響く、厳かな修行の場です。

御朱印・納経について

参拝後は納経所へ。青龍寺の御朱印には、不動明王を表す梵字(カーン)と「本尊 波切不動尊」の文字が記されます。
不動明王の力強い梵字は、迷いを断ち切り、前に進む勇気を与えてくれるでしょう。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 高知県土佐市宇佐町竜163
  • 第35番からの距離: 第35番札所・清瀧寺から約14km。車で約30〜40分、徒歩で約3時間半。宇佐大橋を渡り、横浪半島の海岸線を進みます。
  • 駐車場: あり(無料)。石段の下に駐車場があります。
  • 次の札所へ: 第37番札所「岩本寺」までは約57km。ここから再び長い移動となります。須崎市、中土佐町を抜け、四万十町へと向かう雄大なルートです。

まとめ:海を越えた祈りが届く場所

第36番札所・青龍寺は、はるか中国・唐からの祈りが届いた伝説の地です。 170段の石段を登り、波切不動様に手を合わせれば、どんな困難も切り開いていけるような力が湧いてきます。ここから先は、高知西南部・四万十エリアへの長い旅路が始まります。

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