第60番札所の難所・横峰寺から山を下り、西条市小松町の平野部に降り立つと、第61番札所・香園寺(こうおんじ)に到着します。
このお寺の特徴は、何と言ってもその外観です。昭和51年に建立された鉄筋コンクリート造りの巨大な「大聖堂」は、一見するとお寺とは思えないほどモダンで壮大。
しかし、その歴史は聖徳太子の時代にまで遡り、「子安大師」として安産・子育て信仰を集める、四国屈指の霊験あらたかな名刹です。
| 山号・院号 | 栴檀山 教王院(せんだんざん きょうおういん) |
|---|---|
| 宗派 | 真言宗智山派 |
| 御本尊 | 大日如来(だいにちにょらい) |
| 開基 | 聖徳太子 |
| 御真言 | オン・バザラ・ダト・バン |
| 御詠歌 | 後(のち)の世(よ)を 思えば恭(うやうや)し 香園寺(こうおんじ) 止(と)めて止まらぬ 白滝(しらたき)の水 (意味:来世の安楽を願って香園寺に参れば、境内の白滝の水のように、尽きることのない仏の功徳が注がれるだろう) |
61番札所・香園寺の歴史と縁起
寺伝によると、用明天皇の病気平癒を祈願して聖徳太子が開基したとされています。当時は「香園院」と呼ばれていました。
平安時代の大同年間、弘法大師がこの地を訪れた際、難産に苦しむ妊婦に出会いました。大師は栴檀(せんだん)の香を焚いて加持祈祷を行うと、無事に元気な男の子が生まれました。
この奇跡から、大師は「子安大師(こやすだいし)」と呼ばれるようになり、以来、安産・子育て、女性の守り神として絶大な信仰を集めるようになりました。
境内の見どころ:巨大建築と子安の祈り
伝統的な山門をくぐると、目の前に現れる巨大な建物に圧倒されますが、内部は厳かな祈りの空間です。
1. 圧巻の「大聖堂」
香園寺の本堂と大師堂は、この巨大な大聖堂の2階にあります。
近代的なホールのような造りですが、一歩中に入ると、正面に御本尊の大日如来が鎮座し、数百もの椅子が並ぶ荘厳な空間が広がっています。お寺のイメージを覆すスケール感と、静寂に包まれた内部のギャップは必見です。
2. 赤ちゃんを抱いた「子安大師像」
大聖堂の2階には、弘法大師が赤ちゃんを抱いている珍しい「子安大師像」が祀られています。
安産祈願や、お宮参り、子供の健康祈願に訪れる親子連れが絶えず、堂内には子供たちの健やかな成長を願う写真などがたくさん奉納されています。優しいお顔の大師様です。
3. 身代わり成金(なりきん)
境内には、黄金に輝く「身代わり成金」の像があります。
将棋の「歩」が「と金(成金)」になるように、地道な努力が実を結び、出世や開運につながるという願いが込められています。人生の成功を願って手を合わせてみてはいかがでしょうか。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。香園寺の御朱印には、大日如来(金剛界)を表す梵字(バン)と「本尊 大日如来」の文字が記されます。
子育て世代の方や、お孫さんがいる方へのお土産(お守り)としても大変喜ばれるお寺です。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 愛媛県西条市小松町南川甲19
- 第60番からの距離: 第60番札所・横峰寺から約9km。林道を下り、小松町の中心部近くへ向かいます。車で約30分、徒歩(山道経由)で約2時間半です。
- 駐車場: あり(無料)。大聖堂の前に広大な駐車場があります。
- 次の札所へ: 第62番札所「宝寿寺」までは約1.5km。車で約5分、徒歩で約20分。非常に近く、国道11号線近くの平坦な道を進みます。
まとめ:母子の幸せを願う、現代の大寺院
第61番札所・香園寺は、近代的な外観の中に、古くから続く「母と子」への温かい眼差しが息づくお寺です。 大聖堂の広さに驚きつつも、子安大師様の慈愛に触れれば、心がほっと安らぐことでしょう。家族の幸せを祈るには最適な場所です。