第61番札所からわずか1.5キロ。JR伊予小松駅のすぐ近く、国道11号線沿いに第62番札所・宝寿寺(ほうじゅじ)があります。
ここはかつて「伊予国一之宮(現在の石鎚神社)」の法楽所(神様にお経を捧げる寺)として栄えた歴史を持つ古刹です。
交通量の多い国道沿いにありながら、境内は手入れの行き届いた日本庭園が広がり、ほっと一息つける静寂な空間。第61番・香園寺と同じく「安産」の御利益でも知られる、優しさに満ちたお寺です。
| 山号・院号 | 天養山 観音院(てんようざん かんのんいん) |
|---|---|
| 宗派 | 高野山真言宗 |
| 御本尊 | 十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ) |
| 開基 | 弘法大師(空海) |
| 御真言 | オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ |
| 御詠歌 | 寂(さび)しくば 一(ひと)つの庭(にわ)に なら(なら)べて見(み)よ 本(もと)ある国(くに)は 異(こと)なりといえど (意味:寂しいのならば、庭に様々な木々を並べて見てごらんなさい。生まれ育った国は違っても、同じ庭で共に生きることができるのだから) |
62番札所・宝寿寺の歴史と縁起
天平年間(729〜749年)、聖武天皇の勅願により、大和(奈良)の道明寺の観音様を勧請して創建されました。
大同年間には弘法大師がこの地を訪れ、光明皇后をモデルにしたとされる十一面観音像を刻んで本尊とし、寺を整備しました。
かつては中山川の氾濫にたびたび悩まされ、何度か場所を移転した歴史があります。また、伊予国一之宮(現在の石鎚神社)の別当寺として神仏習合の時代を歩んできましたが、明治の廃仏毀釈を経て現在の場所に落ち着きました。
御詠歌は、一説には菅原道真公が詠んだとも伝えられています。
境内の見どころ:安産の観音様と名水
こぢんまりとした境内ですが、美しい庭園と歴史ある仏像が参拝者を迎えてくれます。
1. 安産のご利益「十一面観音」
本堂に祀られている御本尊・十一面観音菩薩は、弘法大師が光明皇后のお姿を写して刻んだと伝えられています。
皇后が安産であったことから、古くから「安産の観音様」として信仰を集めています。第61番・香園寺と合わせてお参りする妊婦さんやご家族も多く見られます。
2. 心和む「日本庭園」
境内は広くはありませんが、美しく剪定された松や季節の花々が咲く日本庭園があり、訪れる人の目を楽しませてくれます。
国道沿いとは思えない静けさの中で、手入れされた庭を眺めながら一休みすれば、旅の疲れも癒やされるでしょう。
3. アクセスの良さと伊予小松駅
宝寿寺はJR伊予小松駅のすぐ目の前にあり、鉄道を利用するお遍路さんにとっても非常に便利な場所にあります。
駅舎のレトロな雰囲気と合わせて、門前町の風情を感じてみるのもおすすめです。
御朱印・納経について
参拝後は納経所へ。宝寿寺の御朱印には、十一面観音を表す梵字(キャ)と「本尊 十一面観音」の文字が記されます。
「宝寿」というおめでたい名前の御朱印は、長寿や福徳を招く縁起物としても喜ばれます。
アクセス・駐車場・参拝案内
- 所在地: 愛媛県西条市小松町新屋敷甲428
- 第61番からの距離: 第61番札所・香園寺から約1.5km。車で約5分、徒歩で約20分。非常に近く、平坦な道です。
- 公共交通機関: JR予讃線「伊予小松駅」から徒歩1分。
- 駐車場: あり(無料)。本堂のすぐ横に駐車場があります。
- 次の札所へ: 第63番札所「吉祥寺」までは約1.4km。車で約5分、徒歩で約20分。こちらも非常に近く、国道11号線をさらに西へ進みます。
まとめ:駅近のオアシスで一休み
第62番札所・宝寿寺は、アクセスの良さと、安産・福徳の御利益で親しまれるお寺です。 美しい庭園で心を休め、次の札所への英気を養ってください。ここからは札所間の距離が短い区間が続き、テンポよく巡ることができます。