【第76番札所 金倉寺】智証大師誕生の地!乃木将軍ゆかりの歴史と伝説

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第76番札所 金倉寺の本堂と境内
第76番札所 金倉寺:智証大師誕生の地。広々とした境内に歴史が息づく

第75番札所・善通寺から約3.8キロ。弘法大師の誕生地に続き、大師の甥(おい)にあたる天台宗寺門派の祖・智証大師(ちしょうだいし)・円珍(えんちん)がお生まれになった場所が、この第76番札所・金倉寺(こんぞうじ)です。

ここは明治の文豪・森鴎外の小説にも登場する「乃木希典(のぎまれすけ)将軍」が滞在したお寺としても有名です。
「おかるてんさん」と呼ばれる子授け・安産の神様や、名物「長寿うどん」など、見どころと味わいどころ満載の古刹をご案内します。

山号・院号 鶏足山 宝幢院(けいそくざん ほうどういん)
宗派 天台寺門宗
御本尊 薬師如来(やくしにょらい)
開基 和気道善(わけのどうぜん)
御真言 オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ
御詠歌 誠(まこと)にも 神(かみ)さびけるか 金倉寺(こんぞうじ) 波(なみ)の音(おと)さえ 山(やま)に響(ひび)けり (意味:金倉寺は、なんと神々しく荘厳な場所だろうか。海から離れているのに、波の音さえも山に響いてくるようだ)

76番札所・金倉寺の歴史と縁起

宝亀5年(774年)、弘法大師の甥(または姪の子)である円珍(智証大師)がこの地で誕生しました。寺の始まりは、円珍の祖父・和気道善が建立した「自在王堂」とされています。

円珍は幼少の頃、このお堂の前で「ザクロ」の実を食べていたところ、鬼子母神(きしもじん)が現れたという伝説があります。後に円珍は唐へ渡り、帰国後にこの寺を整備し、薬師如来を本尊としました。
天台寺門宗の寺院となったのは円珍ゆかりの地であるためで、四国八十八ヶ所の中では数少ない天台宗のお寺の一つです。

境内の見どころ:乃木将軍と子授けの神様

平坦で開放的な境内には、歴史上の人物の足跡や、地元の人々に愛されるスポットが点在しています。

1. 乃木将軍と「妻返しの松」

明治31年、乃木希典将軍が第11師団長として善通寺に赴任した際、この金倉寺の客殿を宿舎としていました。
大晦日に東京から妻の静子夫人が訪ねてきましたが、乃木将軍は「軍人が戦場に出る前に家族に会うべきではない」と面会を拒否しました。夫人は仕方なく、境内の松の木の下で佇み、帰っていったといいます。
その松は「妻返しの松」と呼ばれ、現在はその切り株と、乃木夫妻の像が建てられています。ちょっと切ない、明治の男のエピソードです。

2. 子授け・安産の「おかるてんさん」

境内には「訶利帝母(かりていも=鬼子母神)」が祀られています。地元では「おかるてんさん」と呼ばれ、子授けや安産、子供の守り神として絶大な人気があります。
円珍が幼少期に見た鬼子母神の伝説に由来し、ザクロの絵馬などが奉納されています。

3. 金箔が貼れる「大黒天」

本堂の近くには、小槌を持った「大黒天」の像があります。
この像には自分の痛いところや良くしたいところに「金箔」を貼って祈願することができます。多くの参拝者が金箔を貼ったため、大黒様はピカピカに輝いています。金運アップや健康祈願におすすめです。

御朱印・納経について

参拝後は納経所へ。金倉寺の御朱印には、薬師如来を表す梵字(バイ)と「本尊 薬師如来」の文字が記されます。
境内には名物のうどん屋さん(長寿屋)があり、お参りの後に讃岐うどんを楽しむこともできます。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 香川県善通寺市金蔵寺町1160
  • 第75番からの距離: 第75番札所・善通寺から約3.8km。車で約10分、徒歩で約50分。平坦な道のりです。
  • 公共交通機関: JR土讃線「金蔵寺駅」から徒歩約5分。駅近でアクセス良好です。
  • 駐車場: あり(無料)。山門の横に大きな駐車場があります。
  • 次の札所へ: 第77番札所「道隆寺」までは約3.9km。多度津町(たどつちょう)の市街地へ向かいます。

まとめ:大師のルーツと乃木将軍の逸話

第76番札所・金倉寺は、智証大師の誕生地という古い歴史と、乃木将軍の近代の歴史が交差するお寺です。 おかるてんさんにお参りし、名物のうどんを味わえば、心もお腹も満たされること間違いなしです。

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