【第79番札所 天皇寺】崇徳上皇ゆかりの地!珍しい三輪鳥居と鎮魂の祈り

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第79番札所 天皇寺の三輪鳥居と本堂
第79番札所 天皇寺:神仏習合の面影を残す「三輪鳥居」と赤い社殿

第78番札所から約6.5キロ。坂出市(さかいでし)の八十場(やそば)という地区にある、赤い鳥居が印象的なお寺が第79番札所・天皇寺(てんのうじ)です。

「天皇寺」という名前の通り、この地で悲運の最期を遂げた「崇徳上皇(すとくじょうこう)」の御霊を慰めるために建てられました。
隣接する白峰宮(しらみねぐう)と一体となっていた神仏習合の歴史を持ち、境内には全国的にも珍しい形の「三輪鳥居(みわとりい)」があります。歴史のロマンと鎮魂の祈りが静かに流れる聖地をご案内します。

山号・院号 金華山 高照院(きんかざん こうしょういん)
宗派 真言宗醍醐派
御本尊 十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)
開基 行基菩薩
御真言 オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ
御詠歌 十楽(じゅうらく)の 浮世(うきよ)の中(なか)を たずぬべし 天皇(てんのう)さえも さすらいぞある (意味:この世の楽しみも儚いものだ。天皇でさえも流浪の身となることがあるのだから、無常の世の真理を尋ね求めなさい)

79番札所・天皇寺の歴史と縁起

天平年間、行基菩薩が開基し、後に弘法大師が訪れて整備したと伝えられます。当時は「摩尼珠院(まにしゅいん)」と呼ばれていました。

保元の乱(1156年)で敗れた崇徳上皇は、讃岐国(香川県)へ配流となり、長寛2年(1164年)にこの地で崩御されました。
上皇の遺体は、都からの指示があるまで近くの「八十場(やそば)の霊水」に浸して保存され、その後、白峰山(しらみねさん)に埋葬されました。
二条天皇は上皇の霊を鎮めるため、この地に社殿(崇徳天皇社)を造営。明治になり、神仏分離によってお寺は「天皇寺」、神社は「白峰宮」となりましたが、今も同じ敷地内に並んで鎮座しています。

境内の見どころ:三輪鳥居と霊水

神社の参道から入り、お寺へ参拝するという独特のスタイル。静寂の中に歴史の重みを感じます。

1. 珍しい「三輪鳥居(みわとりい)」

境内の入り口(白峰宮の鳥居)は、中央の大きな鳥居の両脇に小さな鳥居がついた、3つが合体したような形をしています。
これは「三輪鳥居(みわとりい)」または「三ツ鳥居」と呼ばれ、奈良の大神神社(おおみわじんじゃ)など全国でも数ヶ所にしかない非常に珍しい様式です。神仏習合時代の威容を今に伝える貴重な建築物です。

2. 八十場(やそば)の霊水

お寺のすぐ近くには、「八十場の霊水」と呼ばれる湧き水があります。
古くは、日本武尊(やまとたけるのみこと)の息子が悪魚の毒に当たった際、この水を飲んで蘇ったという伝説があります。また、崩御された崇徳上皇の遺体をこの冷たい水に浸して保存したとも伝えられています。
現在はお遍路さんの喉を潤す名水として、また名物「ところてん」が食べられるスポットとしても人気です。

3. 本堂と大師堂

朱色の社殿が並ぶ白峰宮の隣に、天皇寺の本堂と大師堂があります。
本堂は明治時代に移築されたもので、落ち着いた佇まいを見せています。崇徳上皇の悲しい歴史に思いを馳せながら、静かに手を合わせてください。

御朱印・納経について

参拝後は納経所へ。天皇寺の御朱印には、十一面観音を表す梵字(キャ)と「本尊 十一面観音」の文字が記されます。
「天皇」の名を冠するお寺の御朱印は、四国霊場の中でも格式の高さを感じさせます。

アクセス・駐車場・参拝案内

  • 所在地: 香川県坂出市西庄町天皇1713-2
  • 第78番からの距離: 第78番札所・郷照寺から約6.5km。車で約15分、徒歩で約1時間半。宇多津町から坂出市へ入ります。
  • 公共交通機関: JR予讃線「八十場駅」から徒歩約5分。駅近でアクセス良好です。
  • 駐車場: あり(有料・一部無料)。参道脇に駐車場があります。
  • 次の札所へ: 第80番札所「国分寺」までは約6.5km。高松市方面へ向かいます。讃岐平野の特徴的な山々(五色台など)を眺めながらの移動です。

まとめ:歴史の悲哀と鎮魂の祈り

第79番札所・天皇寺は、崇徳上皇の伝説と、神仏習合の歴史が色濃く残る場所です。 三輪鳥居の珍しい姿を目に焼き付け、八十場の霊水で一息ついて、歴史ロマンに浸るひとときをお過ごしください。

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